胃の検査について
なぜ内視鏡検査が必要?
早期発見・早期治療して患者さんの負担を減らす

内視鏡検査は何のために行なうものなのでしょうか。
どんな病気でも、まだ自覚症状も出ていないごく初期のうちに見つかれば、身体的にも経済的にも負担の少ない治療で、短期間のうちに治すことができます。しかし、ある程度進行した状態で見つかれば、大きな手術が必要となり、身体的にも経済的にも大きな負担が生じてしまいます。
内視鏡検査の目的は、咽頭から大腸までの間に発生したごく小さな病変を早期に発見して、負担の少ない治療で根治させることです。どの病気でも、早期発見・早期治療ができれば、その後の生活もほとんど支障を感じることなく、快適に過ごしていただくことができるでしょう。
そのため、少しでも胃腸の調子に違和感や不安があれば、ぜひ内視鏡検査を検討されることをおすすめします。
上部内視鏡検査(胃カメラ)
上部内視鏡検査とは

先端にカメラがついた細い管を口または鼻から入れて、食道や胃、十二指腸まで通すことで、異常がないかどうかを調べることのできるものです。ごく小さな病変や識別しにくいような病変は、内視鏡の先端から色素を散布して、病変部を浮かび上がらせて観察することもできます。気になる所見があればその場で組織を採取したり、小さな病変であれば切除したりすることも可能です。
どのような病気が分かる?
以下の病気の有無や程度を調べることができます。
つらい症状が出ていても内視鏡検査で何も異常が見つからない場合は、「機能性ディスペプシア」が疑われることもあります。
食道
食道がん、逆流性食道炎、ポリープなど
胃
胃がん、胃炎、胃潰瘍、ポリープなど
十二指腸
十二指腸がん、十二指腸潰瘍、ポリープなど
検査の流れ
1. 2~3日前まで
まずは電話で予約をしていただきます。
検査を初めて受けられる場合や久しぶりに受けられる場合は、原則的には事前にご受診いただき、検査の説明を受けることが必要です。
2. 前日
食事の内容にあまり制限はありませんが、夜9時までに食事を終えるようにしてください。
お酒を飲まれる場合も飲みすぎない程度にとどめ、夜9時以降はお控えください。
水やお茶、スポーツドリンクなどは引き続きお飲みいただけます。
3. 当日の朝
朝食はとらないでください。
常備薬を服用されている場合は、事前に医師までご相談ください。
水やお茶、スポーツドリンクなどで水分補給をしていただくことは可能です。
内視鏡検査では眠くなるお薬を使用することが多いため、来院の際は公共交通機関を利用するか、もしくはご家族等に車で送迎をしてもらった上でお越しください。
4. 受付
まず受付をしていただきます。事前に受診をされた方はそのまま検査となりますが、来院されるのが久しぶりの方や、初めての方は、診察室で医師からの説明を受けてください。
5. 検査
義歯や時計、メガネははずして、女性の方は口紅も落としてください。
検査の前には眠くなるお薬を使用するため、楽な状態で検査を受けていただくことができます。お薬の使用を希望されない場合はその旨をお申し出ください。
検査は5~10分程度で終わります。
6. 検査終了後
眠くなるお薬を使用した場合は、検査後に30~40分ほどリカバリールームでお休みいただきます。リカバリールームにはおひとり分ずつロッカーが設置されており、カーテンで仕切られているため、プライバシーを保つことができます。
7. 結果の説明
目が覚めたら、診察室で検査結果や今後の生活上の注意点に関する説明を受けます。検査中に所見が見つかって組織の採取を行った場合(生検)は、顕微鏡の検査(病理検査)に回すため、約1週間後に再度結果を聞きに来ていただきます。お薬が必要な場合は処方をします。
8. 会計
受付にお戻りいただき、お会計をしていただいて終了となります。お薬を処方された場合は処方箋をお出ししますので、かかりつけの薬局でお薬をお受け取り下さい。
下部内視鏡検査(大腸カメラ)
下部内視鏡検査とは

先端にカメラがついた細い管を肛門から入れて、小腸の手前まで通すことで、大腸の粘膜に異常がないかどうかを調べることのできるものです。気になる所見があればその場で組織を採取したり、小さな病変であれば切除したりすることも可能です。
どのような病気が分かる?
大腸ポリープや大腸がん、大腸憩室、感染性腸炎、潰瘍性大腸炎などの病気の有無や程度が分かります。
検査の流れ
1. 2~3日前まで
まずは電話で予約をしていただきます。
洗浄液の飲み方や当日ご来院いただくタイミングなどについて、事前に説明を受けていただかなくてはならないため、原則的には2~3日前までに、一度ご受診いただくことが必要です。
2. 2日前~前日
下部内視鏡検査の際には、大腸の中の宿便を出してきれいにすることが必要です。そのため、検査の2日前から、海草類・きのこ類・こんにゃく・キウイ・いちご等の繊維の多い食べ物や種の多い食べ物は極力避けていただきますようお願いいたします。
前日は夜9時までに食事を終えるようにしてください。
検査食をご希望される場合は、昼食・夕食のご用意がございますのでお申し出ください。
お酒を飲まれる場合も飲みすぎない程度にとどめ、夜9時以降はお控えください。
水やお茶、スポーツドリンクなどは引き続きお飲みいただけます。
3. 当日の朝
朝食はとらないでください。
常備薬を服用されている場合は、事前に医師までご相談ください。
水やお茶、スポーツドリンクなどで水分補給をしていただくことは可能です。
検査の4時間前から経口腸管洗浄剤を約2時間かけて飲んでいただきます。個人差はありますが7~8回の排便がありますので、透明な便になりましたらご来院ください。予約の際にご相談いただければ、洗浄液を院内で服用していただくことも可能ですので、お気軽にご相談ください。
内視鏡検査では眠くなるお薬を使用することが多いため、来院の際は公共交通機関を利用するか、もしくはご家族等に車で送迎をしてもらった上でお越しください。
4. 受付
まず受付をしていただきます。事前に受診をされた方はそのまま検査となりますが、来院されるのが久しぶりの方は、診察室で医師からの説明を受けてください。
5. 検査
検査の前には眠くなるお薬を使用するため、楽な状態で検査を受けていただくことができます。お薬の使用を希望されない場合はその旨をお申し出ください。
検査は10分程度で終わります。
6. 検査終了後
眠くなるお薬を使用した場合は、検査後に30~40分ほどリカバリールームでお休みいただきます。お薬を使用していない場合も、脱水気味になっていることが多いため、30分ほど点滴をしていただきます。リカバリールームにはおひとり分ずつロッカーが設置されており、カーテンで仕切られているため、プライバシーを保つことができます。
7. 結果の説明
ある程度回復したら、もしくは点滴が終わったら、診察室で検査結果や今後の生活上の注意点に関する説明を受けます。検査中に所見が見つかって組織の採取やポリープ切除などを行った場合は、生検(顕微鏡の検査)に回すため、約1週間後に再度結果を聞きに来ていただきます。お薬が必要な場合は処方をします。
8. 会計
受付にお戻りいただき、お会計をしていただいて終了となります。お薬を処方された場合は処方箋をお出ししますので、かかりつけの薬局でお薬をお受け取り下さい。
ピロリ菌検査
ピロリ菌とは?

ピロリ菌とは、正式名称を「ヘリコバクター・ピロリ菌」と言い、胃の粘膜に棲みついて悪さをする細菌です。胃の中は強い酸を含む胃液が分泌されているため、ふつうの細菌は生きていくことができませんが、ピロリ菌はまわりがアンモニアのバリアで覆われているために、胃液の中でも生息することができるのです。
ピロリ菌が原因となって起こる病気には、胃潰瘍や胃がんがあります。
検査方法は?
ピロリ菌の検査の方法としては、以下の3つの方法があります。
①血液検査
②便の検査
③上部内視鏡検査で組織採取
治療方法
ピロリ菌がいることがわかれば、除菌のための内服薬を1週間服用します。これで90%ほどの確率で除菌することができますが、除菌しきれない場合は2次除菌のお薬をもう1週間服用します。これでほぼ完全にピロリ菌を除去することができます。